The kind of photograph

写真フィルムについて
写真フィルムは写真において、カメラから得られた光の情報を記録する感光材料で、現像されることにより記録媒体となるフィルムのことです。透明な薄い膜状のベースに感光剤を塗布したもの。ポジフィルム(=リバーサルフィルム)は現像後そのまま鑑賞することもできますが、ネガフィルムは現像後さらにプリントすることにより鑑賞することができます。感光材料としてのフィルムとは、旧来の写真乾板に対立する概念といえます。壊れやすいガラス製乾板に対し取り扱いやすく保存性・即用性に優れ量産しやすいフィルムの発明は写真の普及の原動力となりました。銀塩式フィルムは、露光した後、現像・定着・焼き付け処理を経て初めて肉眼に見える画像を得ることができます。以前使用されていたニトレート・フィルムは燃えやすいニトロセルロース製で時に火災の原因となり写真館等の火災保険が高価であった程で、危険物第5類に指定されていました。1950年代以降燃えにくいアセテート・セルロース製セーフティー・フィルムにかわりましたが、初期のセーフティー・フィルムは劣化が早いことが問題となり、1990年代頃からポリエステル製に置換されています。1997年にはロールフィルムにおいて日本国内で最多の約4億8283万本を出荷しましたが、その後はデジタルカメラの普及で売り上げが激減しており、2008年には10分の1近くの約5583万本にまで落ち込んでしまいました。一部のフィルムメーカーでは倒産や写真フィルム事業からの撤退があり、また存続のメーカーでもラインナップ縮小という事態に陥っています。カメラ用フィルムの製造には巨額の設備投資が必要で、一度廃業すると再生産は極めて困難なため、フィルム式カメラの愛好家には危惧されています。デジタルカメラは画像データを保存するCD・DVD・HDD・フラッシュメモリに湿気・熱・衝撃・静電気などといった破損の原因となる弱点があり一度破損すると再生が不可能となるのに対し、写真フィルムが属する銀塩方式の写真は江戸時代のものが今も残っているなど、保存面においては信頼性が高くなっています。長期にわたる銀塩方式への信頼があるため、考古学の発掘現場などでは未だにフィルムカメラが重宝されています。また、警察の鑑識官が使用するカメラは証拠能力の問題から殆どがフィルム式を採用していましたが、近年になってライトワンスのメモリーカードが開発され、デジタル化が進んでいるようです。
Monochrome film

モノクロフィルム
モノクロフィルムは、黒と白の濃淡で表現する写真フィルムのこと。色彩に頼らずに表現するため、題材をシンプルに伝えることができます。現在でも表現手法の一つとして用いられる他、警察など業務用分野でもよく使われているようです。また、現像や焼き付けが比較的容易なことから、これらの処理を個人で行う愛好者も多くいます。1990年代後半にレトロな感覚が受け、モノクロフィルムが入った使いきりレンズ付きフィルムやAPSフィルムも発売されましたがすぐにブームは下火になり、現在は写真の急速なデジタル化により販売量が減りつつあります。一般にカラーフィルムと比べて保存性や粒子の細かさに優れるとされています。ネガフィルムが多数ですが、かつてはモノクロリバーサルフィルムも存在しました。ネガフィルムを使って、特殊な手順を踏めばリバーサル現像をすることもできます。カラーフィルムでは漂白の過程で銀が取り除かれるのに対して、モノクロフィルムでは銀が画像を形成します。これによってカラーフィルムでは得られない粒子感があり、これもモノクロフィルムが根強く支持される理由の一つといえます。銀粒子によるキャリエ効果があり、プリントの出来を大きく左右します。通常のモノクロフィルムの現像や焼き付けはカラーフィルムとは違う薬品や工程が必要なため、ミニラボ機しか設備していない一般の写真店では処理することができず、リバーサルフィルムの現像と同様大半が取り次ぎ集中現像所で処理されますが、現在はモノクロ現像を行う現像所が減りつつあります。このような不便を掛けず手軽にモノクロを楽しむため、カラーネガフィルムと同じ方法で現像処理ができるモノクロフィルムもありますが、カラープリントの仕上げをした際には、完全にニュートラルなグレートーンを得るのは困難です。本来比較的簡単に処理できるはずのモノクロフィルムですが、カラーフィルムが一般化しそれに合わせた設備のみを揃える現像所が増えたために逆転現象が生じました。最近のデジタルラボ機ではモノクロフィルムからカラー用の印画紙へプリントをすることができる場合もあります。現在のポリエステルベースのモノクロフィルムは、環境にかかわらずほとんど劣化しない強い耐久力を持つことから、機械的故障から逃れられないデジタル写真より保存性は上であるとする主張もあるようです。どのような波長の光に感光するかでパンクロマチックとオルソクロマチックに大別されます。
Reversal film

リバーサルフィルム
リバーサルフィルムは写真フィルムの一種で、現像したフィルム上にコントラスト・色が反転していない陽画が写るタイプのフィルムです。ネガフィルムとは逆に画像の色や明るさをそのとおりに見ることができるため、ポジフィルムあるいは陽画フィルムとも呼ばれます。スライドプロジェクタで拡大投影して使われることもあるため、「スライドフィルム」とも呼ばれています。ほとんどの製品はカラーフィルムで、モノクロのリバーサルフィルムも過去においてはコニカより「コニパンリバーサル」、最近ではアグフア・ゲバルトからの一製品が販売されていましたが、これらは製造中止となってしまいました。ネガフィルムと比してラティチュードが狭く、フィルム自体が完成品となり撮影後の露光補正手段が限られているため、正確に露出を合わせて撮影する必要があります。反面、鮮やかでリアルな色再現性や解像度の良さから高く評価され、写真の分野においてプロやハイアマチュア写真家によく用いられています。しかしデジタル一眼レフカメラの普及により、プロを中心にリバーサルフィルムの利用が減少したこと、一部のメーカーが撤退したほか、フィルム価格の高額化やラインナップの縮小を余儀なくされています。 書籍や雑誌、ポスターなど印刷用途としては、透過原稿の方が適しているためによく用いられてきましたが、それも最近では出版がDTP化し、コンピューターと連携させやすいハイスペックのデジタルカメラに置き換わりつつあるようです。
フィルム自体の基本的な構造はネガフィルムもリバーサルフィルムも同じで、トリアセテートベースの上に、下から赤感光乳剤、緑感光乳剤、黄色フィルター層、青感光乳剤が塗布してあります。この他に発色を改善したり保護したりする複数の層が設けられています。現像処理は、ネガカラーフィルムの場合は、最初から発色現像を行いますが、カラーリバーサルフィルムの場合は、その前に反転現像とよばれる一連の処理が行われます。内式フィルムの現像においては、イーストマン・コダック社のE-6という処理が事実上の標準処理であり、フジクロームのCR-56もこれに準じた完全に互換性のある処理です。アグファクロームはAP-41処理、コニカクロームはCRK-2-61処理を専用処理に指定していました。反転現像では、まず最初に第一現像といわれる黒白現像が行われます。これは、感光した部分の潜像を金属銀に変化させるもので、モノクロネガフィルム用の現像液と近似の現像液が用いられます。第一現像終了後の状態はモノクロネガフィルムのように、光が当たった部分が黒くなっています。つづいて、第一現像で現像されなかった部分を感光させるための処理が行われます。昔は第二露光といって、白熱電灯を用いて感光させることが行われていましたが、露光ムラを防ぐため現在では薬品でカブリ現像を行います。第二露光または、カブリ処理の終了後状態は、第一現像で金属銀が生じた部分以外に、処理で感光した潜像が生じています。この潜像が発生した部分に対して行うのが、発色現像で、処理はネガカラーフィルムと同じである。最近のE-6処理ではカブリ現像と発色現像を同時に行うように改良されているようです。発色現像では、EDTAなどの薬品が使用されますが、酸化発色で色素が形成されます。終了後定着を行い、第一現像で生じた金属銀と二次感光で発生した潜像の金属銀を漂白で溶かし、洗浄すると透明陽画が形成されます。
