Reproducibility of a photograph

写真の再現性について
写真の画質を判断する基準は多数にありますが、分解能、コントラスト、色再現性が骨子と考えられています。分解能については、その写真が何個の画像セルで構築されるかで計ろうとする試みがあります。フィルム写真とデジタル写真を比較するとき、フィルムを撮像素子の画素数に換算するとどの程度かと考えがちですが、両者は完全に異なります。フィルムとデジタルで分解能を比較をするのは容易でありません。分解能の測定はさまざまな条件に依存し、フィルムの場合はフィルムの寸法・サイズ、粒状性などのフィルムの性能、用いたレンズの性能に依存します。フィルムにはピクセルが存在しないため、フィルムにピクセルが存在するものとして計測した分解能は目安に過ぎません。デジタルカメラではセンサー画像の補間に用いる画像処理アルゴリズム、センサフィルタのベイヤーパターンの効果、記録画質などが関係します。それに加えて、デジタルカメラの撮像素子や表示装置の画素の配列は、規則正しい繰り返しパターンを持つため、モアレを生じる場合がありますが、フィルムの感光粒子は不規則に並んでいるためこのような現象は起こりません。
24×36mm判カメラで撮影した写真の解像度評価はまちまちです。10メガピクセルという評価があり、この数字はより粒子の細かいフィルムを使うと上がり、低級の光学系の使用や劣悪な照明や不適切な現像が数字を下げることもあり得ます。この評価は2007年の最新鋭デジタルカメラはライカ判カメラよりも優れているという評価を含意していますが、35mmフィルムは一般消費者向けのフォーマットですので、プロ向けフィルムカメラとして中判カメラ、大判カメラがあります。これらに先ほどのの数値を単純にあてると、2007年現在の最新鋭デジタルカメラより優れた分解能を持つことになります。6×4.5cm判のフィルム写真は約36メガピクセル、4×5in判は約130メガピクセルで、8×10in判は約540メガピクセルになります。しかし、20メガピクセルや7メガピクセルという評価もあるようです。ライカ判フイルムはISO50クラスの低感度で20メガピクセル相当というのは銀粒子のサイズなどから計算されたもので、実効的には空間周波数的にみて、色調的・階調的に平坦な特性を有するのはそのおおむね40%程度で、それ以下の細部描写は空間周波数に比例して劣化してくることからおよそ8メガピクセル程度とみるのが正しいようです。高性能レンズを用い理想的な露出で撮影した現代の超微粒子白黒フィルムの分解能は、30メガピクセル以上のファイルサイズにおいて適当な細かさが得られます。一般消費者向けライカ判カラーフィルムでは12メガピクセル以上に、安価なフィルムカメラでも8メガピクセル以上に価します。画像の表示に用いる媒体も考慮に入れる必要があり、例えば2メガピクセル程度のものが主流であるテレビやコンピュータのディスプレイで写真を表示するのみであれば、ローエンドのデジタルカメラで出せる解像度でさえ十分と言えます。4×6inのプリントに出力する場合に限っても、デジタルとフィルムの間に知覚できる差はあるようです。出力媒体が大きな広告版なのであれば、高い解像度をもった媒体か大きな判が必要になります。
Convenience of a photograph

写真の利便性について
デジタルカメラが普及した要因の一つに利便性があります。フィルムカメラでは一連のフィルムを撮影した上で現像しなければならず、現像を終えて初めて写真を見ることができます。ほとんどのデジタルカメラは液晶ディスプレイを備えており、撮った直後に写真を見ることができ、その場で不要な写真の削除が可能です。デジタルカメラの画像はパソコンで加工することが簡単に出来ます。多くのデジタルカメラは画像をセンサーからの出力を画像に変換せずそのまま保存するRAWフォーマットで保存することができます。ソフトウェアとをしようすれば、最終的な画像に「現像」する前に、撮った写真のパラメータを調整することもできます。記録された画像自体を加工したり書き換えるという選択肢も存在します。フィルムもスキャニングという工程を経てデジタル化、つまり、銀塩写真をデジタル写真に変換できます。フィルムカメラではどんなにフィルムが大きくても、露光にかかる時間は大きく変わりませんが、デジタルカメラではデータ量に比例して保存に時間がかかります。また、巨大なCCDや、保存装置にかかる電力が増え、バッテリーや冷却装置も含めると機器はさらに大型・重量化してしまうため、一人の写真技師が徒歩で数か所から打ち上げ点を撮影するという任務には、デジタルカメラは不向きでした。初期の民生用デジタルカメラでも同様の欠点はあり、高解像度の撮影をすると、保存に時間をとられてシャッターチャンスを逃したり、バッテリーが減ったりしやすかったようです。技術革新でこういった問題は改善されてきました。
Preservability of a photograph

写真の保存性について
フィルムが作るのは一次画像で、これは撮影レンズを通った情報を含んでいます。オルソクロマチックのように特定の周波数領域に限られた感度またはパンクロマチックの幅広い感度といった違いはあっても、色によって対象を捉える点は同様です。現像方法の違いにより最終的なネガやポジに差は出ますが、現像が終れば画像はほとんど変化はしません。理想的な状態で処理・保存されたフィルムは実質的に100年以上変わらず性能を発揮します。プラチナの化合物によって発色するプリントは基本的にベースの寿命に制限されるのみで、数百年ほどは持つとされています。高い保存性を欲するならば調色が必須であるという因襲がありました。しかし現在では、調色せずとも保存性を高める薬品が販売されています。
コンピュータを中心としたデジタル媒体が登場してから50年程しか経っていないため、デジタル写真の保存性はフィルムほどには分かっていません。しかし保存に関して記録媒体の物理的耐久性、記録媒体の将来的な可読性、保存に使ったファイルフォーマットの将来的な可読性という乗り越えなければならない点が存在するようです。多くのデジタル媒体は長期的にデータを保管する能力はありません。磁気ディスクと磁気テープは20年でデータを失い、フラッシュメモリーカードはそれよりやや短いようです。高品位の光学メディアはそれより耐久性のある記録媒体とされています。記録媒体が長期間データを保持できたとしても、デジタル技術のライフスパンは短いので、メディアを読み取るドライブがなくなることもあります。 データをデコードできるソフトウェアの存続も関係します。現代のデジタルカメラは画像をJPEGフォーマットで保存しますが、このフォーマットは十数年前に登場しました。現在、膨大な数のJPEG画像が生み出されていますが、100年後もJPEGフォーマットを読むことができるかという問題があります。複数が並立しいわゆる互換性に乏しい、RAWフォーマットの将来も不確定とされています。これらのフォーマットの一部は暗号化されたデータまたは特許で保護された専用データが含まれていますが、突然メーカーがフォーマットを放棄する可能性もあります。デジタルにおけるこれらの障害にも対策があり、オープンでよく知られたファイルフォーマットを選ぶことによって、ソフトウェアがそのファイルを読解できる将来の可能性が増します。また、将来読めなくなるかサポートされなくなる可能性があるフォーマットでデータを保存する代わりに、品質を低下させることなく新しいメディアにコピーすることが可能です。
